「ねんねトレーニング、試してみたけど泣かせるのがつらくて挫折した…」
そんな経験、ありませんか?
夜中に何度も起こされて、日中はぼーっとして、このままじゃ倒れてしまう。でも我が子を泣かせるのはかわいそう。その板挟みでなにも動けなくなってしまう、そんなママやパパがとても多いんです。
正直に言うと、わたし自身もそうでした。
助産師として産院で5年働いて、たくさんのお母さんに「赤ちゃんの寝かしつけ方法」を伝えてきた。なのに、いざ自分の子どもの夜泣きが始まったら、まったく歯が立たなかったんです。(正確には、知識と実践の間には、それくらい大きなギャップがあります)
だから今回は、ねんねトレーニングに挫折してしまう本当の理由と、失敗しないための5ステップのやり方を、元助産師の視点でお伝えします。
・ねんねトレーニングが失敗する3つの原因
・月齢別のスタートの見極め方
・今夜から使える5ステップの具体的なやり方
・泣かせないタイプのねんねトレーニングの選び方
ねんねトレーニングが失敗する3つの原因

①「いつでも泣いたら抱っこ」が習慣になっている
生後3〜4ヶ月ごろから、赤ちゃんは少しずつ「眠りに落ちる前の状況」を記憶するようになります。
授乳しながら寝た赤ちゃんは、夜中に浅い眠りになったとき、「あれ?おっぱいがない」と感じて目を覚ます。これが睡眠アソシエーション(眠り入りのクセ)と呼ばれるもの。
つまり、「夜泣きが多い」と感じているケースの多くは、赤ちゃんが悪いんじゃなくて、眠り入りのクセが「親がいないと寝られない」状態になっているだけだったりするんです。
ねんねトレーニングが失敗するとき、一番多い原因がここ。
睡眠アソシエーションを変えずに「泣かせる方法だけ」を試しているから、うまくいかないんですね。
授乳→眠る→ベッドに下ろす、を続けながら「なんで夜中に起きるの?」と悩む。眠り入りのクセが変わっていないので、何をやっても同じことが繰り返されます。
「眠りに落ちる最後の瞬間」を意識的に変える。授乳は眠る少し前に終わらせて、ベッドに下ろしてから眠らせる練習を少しずつ取り入れる。
②途中でやめたり、やり方がブレてしまう
ねんねトレーニングでよく聞く悩みが、「3日やったのに泣き声がひどくなって怖くてやめた」というもの。
実はこれ、ほぼすべてのケースで起きる「想定内の反応」なんです。
始めてから2〜4日目は、赤ちゃんも混乱して泣き声がむしろ大きくなることが多い。専門用語では「消去バースト」と言って、変化に抵抗しようとする本能的な反応です。
でもここでやめてしまうと、赤ちゃんに「もっと強く泣けば来てくれる」と学習させてしまうみたいな現象が起きちゃう。結果、夜泣きがもっとひどくなるという逆効果に。
また、夫婦でやり方がバラバラな場合も失敗しやすいです。ママは放置、パパはすぐ抱っこ、だと赤ちゃんは混乱して眠り入りのクセが定着しません。家族全員で同じルールを守ることが、成功の前提になります。
③月齢が早すぎる・コンディションが悪い
ねんねトレーニングには「適した時期」があります。
一般的に推奨されるのは生後4〜6ヶ月以降。この時期になると、赤ちゃんの睡眠リズムが安定してきて、セルフねんねを覚えやすくなります。
逆に、生後3ヶ月以前や、体調不良・歯が生え始めている時期・旅行や引越し直後などは避けること。赤ちゃんのコンディションが安定していないと、ねんねトレーニングはうまくいきません。
「うちの子は6ヶ月だけどなかなか進まない…」という場合は、夜泣きの月齢別の原因と対処法もあわせて確認してみてください。そもそもの原因が別にある場合もあります。
ねんねトレーニングはいつから始める?月齢の見極め方

スタートに適した月齢と赤ちゃんの状態
ねんねトレーニングを始めるのに適した時期の目安は以下のとおりです。
- 生後4〜6ヶ月以降である(体重が生後最低体重の2倍以上が目安)
- 体調が良好で、風邪・発熱・歯の生え始めではない
- 環境が安定している(引越し・旅行・新たな保育園スタートの直後ではない)
- 家族全員でやり方のルールを共有できている
月齢だけで判断しないことが大事です。
生後4ヶ月でも「体調不良が続いている」「旅行直後」という場合は避けた方がいい。逆に生後7〜8ヶ月でも条件が整っていれば十分間に合います。
「もうこんな月齢だから遅すぎる?」と心配する方もいますが、1歳を超えてからうまくいくケースも10人中7人くらいはいます。焦らなくて大丈夫です。
「泣かせる方法」vs「泣かせない方法」どちらを選ぶ?
ねんねトレーニングには大きく2つのアプローチがあります。
泣かせる系(消去法・フェイバーメソッド等)
赤ちゃんが泣いても一定時間は様子を見て、セルフねんねを促す方法。効果が早く出やすいけれど、親が精神的につらいと感じるケースも多い。
泣かせない系(チェアリング法・なだめ系等)
徐々に「親の助けを減らしていく」方向でセルフねんねを覚えさせる方法。時間はかかるけれど、赤ちゃんの泣き声を最小限にしながら進められる。
どちらが正しいということはありません。大事なのは「自分が続けられる方法を選ぶこと」。
途中で心が折れてやめてしまうと、逆効果になることもあるので、まず自分のタイプに合ったやり方を選ぶことが最重要です。
ねんねトレーニングは「かわいそう」という声もありますが、2022年時点での複数の研究では、適切に行われたねんねトレーニングは赤ちゃんの精神的健康に悪影響を与えないとされています。ただし、やり方を間違えるとストレスになることもあるため、方法の選択と実施の仕方が大切です。心配な場合は小児科や助産師に相談してみてください。
失敗しないねんねトレーニングの5ステップのやり方

Step1:ねんねのルーティンを作る(寝かしつけ前20〜30分)
ねんねトレーニングを始める前に、まず「ねんねの合図」を体に覚えさせることが大切です。
毎晩同じ順番で同じことをする「ねんねルーティン」を作ります。
たとえば:
お風呂 → 授乳(飲み終えたら起こす)→ 歯磨き → 電気を暗くする → 絵本1冊 → ベッドへ
このルーティンを毎日繰り返すと、2〜3週間で赤ちゃんの体が「この流れが来たら眠る時間だ」と学習し始めます。ルーティンはねんねトレーニングの土台なので、方法を選ぶ前に先に整えておくといいですよ。
ポイントは「最後の授乳で眠らせない」こと。授乳が終わったら少し起こしてから、ベッドに下ろすようにします。これだけで睡眠アソシエーションを少しずつ変えていけます。
Step2:寝室の環境を整える
ねんねトレーニングの成功率を大きく左右するのが、寝室の環境です。
意外と見落とされがちなのが「明るさ」と「音」。昼寝も夜ねんねも、できるだけ暗い部屋で行うことをおすすめします。
明るい部屋では、赤ちゃんの体が「まだ起きている時間」と判断してメラトニン(眠気ホルモン)が出にくくなります。遮光カーテンを使って、昼間でも暗くできる環境を作ってみてください。
また、ホワイトノイズ(空調音・ザーッとした雑音)を使うと、外の物音に反応して目が覚めるのを防げます。専用アプリが無料で使えるので試してみてください。
室温の目安は18〜22℃。暑すぎると睡眠の質が落ちやすいので、夏場は特に意識してみてください。
Step3:ねんねのタイミングを見極める(活動限界時間)
ねんねトレーニングで意外と重要なのが、「いつ寝かせるか」のタイミングです。
赤ちゃんには月齢ごとに「活動限界時間(起きていられる時間の上限)」があります。この時間を超えると疲れすぎてかえって眠れなくなる、みたいな現象が起きやすい。
月齢別の活動限界時間の目安:
生後4ヶ月:約1.5〜2時間
生後6ヶ月:約2〜2.5時間
生後9ヶ月:約2.5〜3時間
1歳:約3〜4時間
目が充血してきた、目をこすり始めた、ぼーっとし始めたら「そろそろ眠れる合図」。この「眠くなり始めた瞬間」を逃さずにベッドへ連れて行くことが、スムーズなセルフねんねへの近道です。
Step4:ベッドで眠り入りを練習させる
ルーティンが整ったら、いよいよセルフねんねの練習です。
最初はまだ眠りきっていない「ウトウト状態」でベッドに下ろします。完全に眠ってから下ろすと、さっきの睡眠アソシエーションの問題に戻ってしまうので注意。
泣かせない系の方法(チェアリング法の例):
1日目:ベッドのすぐそばに椅子を置いて、声をかけながら見守る
3日目:椅子を少し離す
5日目:椅子を部屋の端に移動する
7日目以降:廊下から声をかけるだけにする
こうして段階的に「親なしで眠れる」練習をさせていきます。
泣いても短時間(2〜3分)なら見守って、長くなるようであれば声をかけるかそっとなでるだけにする。抱き上げるのはできるだけ我慢するのがポイントです。
Step5:一貫性を保ち、7〜14日間続ける
ねんねトレーニングで最も大切なのは「続けること」です。
どんな方法でも、始めてから3〜5日目が一番しんどい時期。泣き声が大きくなることも多い。でもここを乗り越えると、多くのケースで7〜14日以内にセルフねんねができるようになってきます。
「今日うまくいかなかった」と感じても、1〜2日では判断しないでください。少なくとも1週間は同じ方法で試してみること。
夫婦でのルール統一も忘れずに。「ママはやっているのにパパが抱っこしてしまう」は一番多い失敗パターンのひとつ。事前に二人で「何分待つか」「どこで声をかけるか」を具体的に決めておくといいですよ。
復職を控えていてタイムリミットがある方は、夜泣きの月齢別原因を確認しながら同時に進めるのがおすすめ。ねんねトレーニングだけでは改善しない夜泣きの原因が別にある場合もあるので、ぜひ一緒に参考にしてみてください。
ねんねトレーニング中によくある疑問と答え

「泣かせっぱなしにするのはかわいそう?」
この疑問、本当によく聞きます。
まず前提として、完全に「泣かせっぱなし」にする必要はありません。特に泣かせない系の方法(チェアリング法など)は、親が見守りながら少しずつ距離を置いていくやり方なので、ずっと放置することはありません。
また、2022年に発表された複数の研究では、適切に行われたねんねトレーニングは赤ちゃんのストレスホルモンや愛着形成に悪影響を与えないという結果が出ています。
むしろ、慢性的な睡眠不足が続いている親の方がストレスホルモンの値が高くなることが多く、ママやパパがきちんと眠れることが赤ちゃんにとってもプラスになるという視点も忘れないでほしいんです。
「かわいそう」という気持ちは自然な感情。でも、長い目で見たときに赤ちゃんと家族全員が健康に眠れる環境を作ることは、決してかわいそうなことじゃない、とわたしは思っています。
「双子でもねんねトレーニングはできる?」
双子での実践、難しそうに感じますよね。でも、できます。
双子の場合は、同じ寝室で同時にねんねルーティンを行うことがポイント。バラバラにしてしまうと、どちらかが起きたときにもう一方も起こしてしまうリスクが増えます。
「1人が泣いたらもう1人も起きる」と心配する方も多いのですが、慣れてくると意外と双子は互いの泣き声に慣れてくるケースも多いです。
始めの1〜2週間は大変に感じても、2人同時にセルフねんねができるようになれば、毎晩2時間かかっていた寝かしつけが15〜30分になることも。パートナーがいる場合は、1人ずつ担当を決めて同時進行するのがおすすめです。
「一度成功しても夜泣きが再発した場合はどうする?」
ねんねトレーニングがうまくいっていたのに、また夜泣きが増えた、という話もよく聞きます。
これはよくあること。旅行・発熱・歯の生え始め・後追いのピーク(生後8〜10ヶ月)などのタイミングで、一時的にセルフねんねが崩れることがあります。
そのときは焦らず、もう一度同じ5ステップに戻ってみてください。一度成功しているので、初回より短い期間で戻るケースがほとんどです。
「元に戻っただけ。もう一度同じ手順で。」
初回より必ず早く戻ります。焦らないことが大事。
ねんねトレーニングとあわせて見直したい睡眠の土台

昼寝の時間と回数を整える
ねんねトレーニングに取り組んでいるのになかなか効果が出ない場合、昼寝の時間が長すぎたり、回数が多すぎたりすることが原因になっているケースがあります。
昼間にたくさん眠っていると、夜の睡眠圧(眠くなる力)が下がって、夜になってもなかなか眠れなくなります。
月齢別の昼寝の目安:
生後4〜6ヶ月:1日3回程度・合計3〜4時間
生後6〜9ヶ月:1日2回・合計2〜3時間
生後9ヶ月〜1歳:1日2回・合計2時間前後
1歳以降:1日1回・1〜2時間
夜の就寝時刻の1〜2時間前には昼寝を終わらせておくことも、スムーズなねんねのためのポイントです。
光・食事・活動のリズムを整える
赤ちゃんの体内時計は光によって整います。朝は起きたらカーテンを開けて日光を浴びさせる。夜は18時以降はなるべく照明を暗くして、スマホやテレビの画面を見せない。
これだけで体内時計が整ってきて、夜の眠りの質が上がりやすくなります。
また、離乳食が始まったらご飯のタイミングも一定にすること。食事のリズムが体内時計を整える助けになります。
日中に体を動かす遊びを取り入れることも大事。お散歩・ハイハイを促す遊び・お座りでの手遊びなど、月齢に合った活動で体を適度に疲れさせてあげると、夜の眠りが深くなりやすいです。
ねんねトレーニングはテクニックだけじゃなく、こうした「睡眠の土台作り」がセットで整ってはじめて効果が出やすくなります。
まとめ:ねんねトレーニングは「正しい準備」で結果が変わる

- 失敗の原因は「睡眠アソシエーション」「やり方のブレ」「月齢・コンディション」の3つ
- 生後4〜6ヶ月以降・体調が良い・家族でルール統一ができていることがスタートの条件
- ねんねルーティン → 寝室環境 → タイミング → ベッドで練習 → 7〜14日継続の5ステップ
- 「泣かせる」「泣かせない」どちらの方法も続けられる方を選ぶことが最重要
- 昼寝・光・食事・活動のリズムを整えることで効果が出やすくなる
ねんねトレーニングは、「魔法のテクニック」ではありません。
正しい準備と、正しいタイミングと、少しの継続。それがそろったとき、赤ちゃんははじめて「自分で眠れる力」を発揮しはじめます。
毎晩ボロボロになりながら抱っこし続けているあなたへ。もう少しだけ、今夜から変えてみてほしいんです。
もっと詳しい実践ステップや、月齢ごとのよくある失敗例については、こちらのNote記事でも詳しく書いています。ぜひあわせて読んでみてください。
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